
太陽光発電の買取価格の相場はいくら?太陽光パネルの容量ごとにわかりやすく解説
太陽光発電を設置する大きなメリットの一つは、発電した電気のうち、余った分(余剰電力)を電力会社に売電することによって収入が得られることです。売電からの収入は、太陽光発電パネルから発電される電気の容量、国の制度の適用有無、加入している太陽光買取プランの買取価格です。でも、一番気になるのは太陽光発電による買取価格の相場でしょう。ここでは太陽光発電パネルのサイズ別に発電量から予測される相場をご紹介していきます。
- 太陽光発電の買取価格の計算方法は?
- 太陽光発電の買取価格の相場は?
- FIT制度の場合
- 卒FITの場合
- 4kWの太陽光パネルの買取価格の相場は?
- 5kWの太陽光パネルの買取価格の相場は?
- 6kWの太陽光パネルの買取価格の相場は?
- 7kWの太陽光パネルの買取価格の相場は?
- 卒FIT電源の買取をするのなら市場連動型のプランがお得!
太陽光発電の買取価格の計算方法は?

家庭用の太陽光パネルは、4kW~5kWの発電容量が一般的です。太陽光発電においては、kWは「電力」を示す単位であり、発電可能な電力容量を示します。よって、kWの値が大きいほど多く発電できます。一方、kWhは「電力量」を示す単位です。例えば、4kWの設備で5時間(h)発電した場合の発電量は、「20kWh」となります。
発電量は、太陽光パネルの設置面積や向き、日照時間などによって変動しますが、1kWの容量の太陽光発電システムが1年間で発電できる電力量は約1,000kWhが目安と言われています。つまり、電力会社が1kWhを1円で買い取る場合は、年間1,000kWhを発電してそのすべてを売電すると、1,000円の売電収入になります。
太陽光発電の買取価格の相場は?

売電価格は、国の再生可能エネルギー(太陽光発電含む)の固定買取制度が適用されているかどうかで異なります。まず、固定価格買取制度(FIT制度)とは何か?を説明していきましょう。
FIT制度の場合
FIT制度とは、再生可能エネルギー由来の電力の買取価格を国が保証してくれる制度です。FIT制度での買取価格は、「1kWhあたり●●円」と価格が決まっていて、いつでも同じ価格で買い取ってくれるので安定的な収入を得られます。FIT制度における買取価格は毎年変わりますが、2024年度は10kW未満の住宅用の太陽光発電設備の買取価格は「16円/kWh」です。
一般的な家庭で導入される太陽光発電パネルの容量の平均は4~5kWです。間を取って、4.5kWの太陽光パネルを想定した場合、年間の発電量は4,500kWhになります。なお、FIT制度では、10kW以上50kW未満の設備の場合は、発電した電気の30%をご自宅を使用する必要があるため、売電できる量は残りの70%です。
例えば、発電した電力の30%を余剰電力として活用した場合、4,500kWhの70%は3,150kWhとなります。3,150kWhにFIT制度の売電価格「16円/kWh」をかけると、年間の売電収入は、50,400円となります。ただし、住宅用太陽光発電パネル(10kW未満)の場合、FIT制度が適用されるのは10年のみです。11年目以降は、FITが適用されず、「卒FIT」と呼ばれる期間に入ります。
卒FITの場合
10kW未満の一般的な住宅用太陽光発電パネルの場合、10年を経過すると、FIT制度は終了し、卒FITと呼ばれるようになります。卒FITになっても、今まで契約していた電力会社に売電することができますが、国の価格保証がないので、買取価格は低くなります。
2024年時点で、大手電力会社の平均買取価格は7.8円です。FIT制度の時と同様、発電した電気の70%を売電すると仮定した場合、4.5kWの太陽光パネルなら年間の売電収入は24,570円となります。卒FITを迎えると、今まで契約していた電力会社とは違う会社の太陽光買取プランに切り替えができます。新電力を中心に、卒FIT向けプランで買取価格を10円/kWh以上に設定している買取プランもあるので、いろいろと比べてみましょう。
4kWの太陽光パネルの買取価格の相場は?
4kWの太陽光パネルの面積は20〜25平方メートルで、平均的な住宅用太陽光パネルに比べて、少しだけ小さなサイズです。4kWの場合、年間約4,000kWhの発電量が見込めるため、70%を売電すると仮定して、売電量は2,800kWhです。2024年度のFIT制度の買取価格16円/kWhで計算すると、年間で約44,800円の売電収入が見込めます。卒FITの場合、同じ電力会社に継続して売電すると売電価格は平均で7.8円/kWhなので、年間で約21,840円の収入となります。
5kWの太陽光パネルの買取価格の相場は?
パネルの面積は25〜30平方メートルで、5kWは平均的な住宅用太陽光パネルに比べて、少しだけ大きなサイズです。FIT制度を利用した場合、年間約5,000kWhの発電量が見込めるため、70%を売電すると仮定して、売電量は3,500kWhです。2024年度のFIT制度の買取価格16円/kWhで計算すると、年間で約56,000円の売電収入が見込めます。卒FITの場合、同じ電力会社に継続して売電すると売電価格は平均で7.8円/kWhなので、年間で約27,300円の収入となります。
6kWの太陽光パネルの買取価格の相場は?
パネルの面積は30〜35平方メートルで、6kWは平均的な住宅用太陽光パネルに比べて、大きなサイズです。FIT制度で導入された場合、年間約6,000kWhの発電量が見込めるため、70%を売電すると仮定して、売電量は4,200kWhです。2024年度のFIT制度の買取価格16円/kWhで計算すると、年間で約67,200円の売電収入が見込めます。卒FITの場合、同じ電力会社に継続して売電すると売電価格は平均で7.8円/kWhなので、年間で約32,760円の収入となります。
7kWの太陽光パネルの買取価格の相場は?
パネルの面積は35〜40平方メートルで、7kWは平均的な住宅用太陽光パネルに比べて、かなり大きなサイズです。FIT制度で導入された場合、年間約7,000kWhの発電量が見込めるため、70%を売電すると仮定して、売電量は4,900kWhです。2024年度のFIT制度の買取価格16円/kWhで計算すると、年間で約78,400円の売電収入が見込めます。卒FITの場合、同じ電力会社に継続して売電すると売電価格は平均で7.8円/kWhなので、年間で約38,200円の収入となります。
卒FIT電源の買取をするのなら市場連動型のプランがお得!
ここまでは売電収入の相場について説明しましたが、具体的にはどのようなプランで売電をしたら効率よく運用できるでしょうか?卒FITを迎えた方は、FIT期間中に契約していた電力会社に引き続き売電することが可能です。ただし、継続した場合は、国の価格保証がないので、買取価格が平均的に7円~9円(1kWhにつき)になります。そこでおすすめなのが、卒FIT向けの「市場連動型」太陽光買取プランです。
ほとんどの卒FITプランは、「固定買取型」と呼ばれていて、「1kWhあたり●●円」といった固定価格で買い取ります。大体の場合は10円前後です。「市場連動型」の場合、卸電力市場JEPXの取引価格に連動して買取価格を決めますJEPXの価格から、手数料を差し引いた金額をお客様に支払うという仕組みです。市場連動型のメリットは、買取額が高くなりやすい点にあります。
以下の表では、「固定買取型」と「市場連動型」の買取価格を比較しています。ご覧のとおり、市場連動型の方が買取価格が高くなっています。もちろん市場価格は上がったり下がったりするので、一定のリスクはありますが、長期運用を考えた場合、市場連動型は平均的に買取価格が高くなると想定されます。
市場連動型の卒FITプランはあまり多くはありませんが、「エネまかせ」では市場連動型プランがあります。気になった方はぜひチェックしてみてくださいね!
