2024.6.282024.12.18
太陽光発電の売電価格はFIT制度終了後(10年後)どうなる?対策も踏まえて解説

太陽光発電の売電価格はFIT制度終了後(10年後)どうなる?対策も踏まえて解説

住宅用太陽光発電はFIT制度(固定買取価格制度)により、10年間は「1kWhあたり●●円」といった固定された単価で買い取ってもらえますが、11年目以降は同等の単価で売電できなくなります。では11年目以降はどうなるのでしょうか?

  • FIT制度の期間が終了した後、太陽光発電の売電はどうなる?
  • 10年後の「卒FIT」期間はどうすればいい?
  • 1、現在の電力会社の契約を継続する
  • 2、売電先を変更して卒FIT専用プランに申込む
  • 3、太陽光発電の自家消費
  • 卒FITを迎える10年後に備えて今のうちから計画を立てておこう!

FIT制度の期間が終了した後、太陽光発電の売電はどうなる?

答えとしては、そのまま継続して売電することが可能です。FIT制度は住宅用太陽光発電の場合10年が経過すると制度が終了し、これを「卒FIT」と呼びます。しかし、卒FITを迎え、そのまま同じ電力会社と自動契約を続けるとFIT制度が適用されていた期間の価格よりも下がってしまいます。その理由はFIT制度が終了した太陽光発電は、FIT制度の買取価格保証の対象外になるからです。

具体的な例を挙げると、2024年度の「10kW未満(住宅用太陽光発電)」の売電価格で比較してみると、FIT制度では「16円/kWh」で買い取ってくれるのに対し、卒FITでは大手電力会社だと7.0円/kWh~9.0円/kWhとなり、約半分程度の価格となってしまいます。

10年後の「卒FIT」期間はどうすればいい?

1、現在の電力会社の契約を継続する

FIT制度が終了しても大体の場合、現在の電力会社の契約を継続することが可能です。ただし、買取価格が約7.0円/kWh~9.0円/kWh程度になるため、FIT制度の時と比べると一気に買取価格が下がります。ただし、それでも切替が面倒、という場合は継続してもよいでしょう。

2、売電先を変更して卒FIT専用プランに申込む

現在契約中の電力会社以外にも太陽光発電の電力を買いたいという電力会社はあります。こうした電力会社は通常、卒FIT専用のプランを用意しています。 売電先を変更しない場合よりも卒FIT専用プランの方が高く売れることがほとんどです。 売電収入をより多くしたいという場合は、卒FIT専用プランに申込むのがいいでしょう。

・卒FIT専用プランは2タイプある

卒FIT専用プランは大まかにいうと2パターンあります。「固定買取型」と「市場連動型」です。

・固定買取型とは?

固定買取型とは、FIT制度と同じで、1kWhあたり固定の買取価格で電力を買い取ってくれます。ただし、たまに料金改定があるため、注意が必要です。

・市場連動型とは?

市場連動型とは、JEPXと呼ばれる日本卸電力取引所の単価に合わせて買取価格を決めるプランです。電力市場の取引価格は、株価と同じで上がったり、下がったりするので、ハイリスク・ハイリターンと言えるかもしれません。

・固定買取型と市場連動型はどちらがいいの?

どれだけリスクを取りたいか次第で異なりますが、2022年・2023年の買取価格の最高値と最低値を比較した場合、市場連動型が高いという結果が出ています。

・電気代が高い時期は電力の市場取引価格が高い

固定買取型と市場連動型のどちらが良いかはリスクの許容範囲次第ですが、世界情勢の影響で燃料が高く、電気代が高くなりやすい年は電力の需要が高まります。そうなると電力市場の取引価格も高くなります。こうした時期は市場連動型の方が太陽光の買取価格が高くなる傾向はあります。

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市場連動型の卒FITサービスはあまり多くはありませんが、将来的には増えていくだろうと予測されています。そんな中で「エネまかせ」はいち早く国内で市場連動型の卒FITサービスをはじめており、この分野では老舗といえるでしょう。

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3、太陽光発電の自家消費

太陽光発電の電力を自宅で消費して、あえて「売電しない」という手もあります。自宅で消費する太陽光発電のことを自家消費と呼びます。ただし、自家消費ができるのはあくまでも自宅の太陽光発電システムが発電している間です。雨の日や夜など、発電しない時は電力会社から電力を供給してもらわなければなりません。そうなると電気代が発生します。完全に自家消費をしようとすると蓄電池の購入が必要です。蓄電池であれば、発電した電力を貯めておいて、雨の日や夜など発電しない時に電力を使えます。

家庭用の蓄電池の価格は安くなりつつありますが、購入には100万円単位の予算が必要なことから、かなりの高価です。最近は蓄電池購入における自治体による補助金などもあるので賢く活用するのがお得です。

卒FITを迎える10年後に備えて今のうちから計画を立てておこう!

卒FITを迎えると売電価格はFIT制度と比較して下がるため、太陽光発電をどのように活用するか、事前に計画をしっかり立てておくことが重要です。その一方で世界情勢により燃料価格が高騰して電気代が高くなっているのも事実です。卒FITでもより高く買い取ってくれる売電先を探すことや蓄電池を導入して電気代の支払いを極力減らすなど、ご自身に合った対策をぜひ検討してみてください。

  • #売電
  • #卒FIT
  • #固定単価型
  • #蓄電池
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