
売電とは?太陽光発電による余剰電力の最適な売り方を解説
売電とは、保有している発電設備が発電した電力を電力会社へと販売することを指します。売電で気になるのは売電による収入額ですが、「売電量(販売する電力量)」と「制度利用の有無」によって異なります。それぞれを説明していきましょう。
- 「売電量(販売する電力量)」によって変わる売電収入
- 「制度利用の有無」で変わる売電における買取価格
- 卒FITの場合
- 非FITの場合
「売電量(販売する電力量)」によって変わる売電収入
売電収入を決めるのは「売電量(販売する電力量)」x「買取価格」ですが、まずは「売電量」を見ていきます。ソーラーパネルの容量によって、発電する量は当然変わりますが、ここで考えるべきは、発電したすべての電力量を販売するのか、発電した電力のうち、使わずに余った電力のみ販売するかです。
発電したすべての電力量を販売するのは「全量売電」と呼ばれ、多くの場合は野立てなど産業用の発電設備のパターンが一般的です。50kW以上の出力を確保できる太陽光発電は制度に関係なく、全量売電として売電します。
ご家庭や自社ビルなどに発電設備を設置して発電した電力を使用し、余った電力(余剰電力)を電力会社に売電することを「余剰売電」といいます。
「全量売電」と「余剰売電」で販売できる電力量が異なるため、売電の収入額が当然ながら異なってきますが、次に説明する「制度利用の有無」にも関わってきます。
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「制度利用の有無」で変わる売電における買取価格
ここでいう「制度」というのは、FIT制度と呼ばれる政府が一定期間、売電における買取価格を保証する固定価格買取制度のことです。FIT制度は、国内で再生可能エネルギーを普及するために国が導入した制度のため、比較的高く電力を買い取ってくれます。
ただし、このFIT制度は10年~20年限定のため、その期間を過ぎると「卒FIT」と呼ばれるFIT制度対象外の期間が始まります。なお、最初からFIT制度を利用しないというケースも最近増えてきていますが、こうした場合は「非FIT」と呼ばれます。それぞれの売電価格はどのように違うのか見てみましょう。
卒FITの場合
卒FITはFIT制度期間開始から、10年から20年後となります。FIT制度が終了すると、国による価格保証がなくなることから買取価格が低くなります。卒FIT期間を迎えると、今まで契約していた電力会社から別の電力会社に切り替えることができ、その方が高い買取価格を提示している場合もあります。しかし、FIT制度期間と比べると買取価格は安くなります。また、電力会社の卒FIT向け電力買取プランの買取価格は統一されておらず、さまざまです。さらに、卒FITはほとんどの場合は家庭での余剰売電のため、売電できる電力量が多いとは言えません。そうすると買取価格が重要になります。
そうした中でどのプランの買取価格が高いのでしょうか?まずは卒FITプランのタイプを理解することが大切です。卒FITプランは大きく2つのタイプがあり、一つは「1kWhあたり●●円」といった「固定買取型」があります。多くの場合はこの固定買取型ですが、買取価格は電力会社によって異なるため、比較する必要があります。二つ目のタイプは「市場連動型」です。固定買取型と比較して新しいタイプのプランですが、電力卸売市場「JEPX」の取引価格に連動して買い取るという仕組みです。そのため、買取価格は市場の取引価格に合わせて変動します。
固定買取型と市場連動型はどちらがお得になるのかが気になるところです。市場連動型プランを提供している「エネまかせ」では、固定買取型と市場連動型それぞれのプランの買取シミュレーション機能があります。このシミュレーション機能を使ったところ、東京電力エリアにおける固定買取型と市場連動型プランの最高値と最低値を比較した結果、2022年、2023年とも市場連動型プランの買取価格が高いという結果になりました。一度シミュレーション機能を使って確認してみましょう。
非FITの場合
非FITは余剰電力と全量売電の両方がありますが、ほとんどは野立てなど全量売電であるケースが多いもの。全量売電ということは、太陽光発電で収入を得ることを目的としていることから、なるべく高い買取価格の売電プランを探したいところです。しかし、非FIT向けの買取プランというのはあまり多くありません。そして、ほとんどの非FITプランは卒FITプランと同じプランでの提供となります。
「卒FITの場合」でも説明していますが、FIT制度以外の売電方法は大きく分けて、固定買取型と市場連動型の2パターンです。
非FIT売電のプランはあまり多くはありませんが、「エネまかせ」サービスでは非FIT・卒FIT向けの市場連動型プランを提供しています。シミュレーション機能と合わせて、エネまかせの特長について以下のリンクから確認してみてくださいね。